矯正治療
矯正治療は、気になったその時にご相談されることをお勧めします。早めのご相談で症状の悪化を予防できることもあります。矯正治療に年齢制限はございません。
乳歯が生えはじめる時期の乳児から、永久歯が生え揃った後の大人の方まで幅広い年齢に対応できますので、お気軽にご相談ください。
当医院では矯正舌側拡大装置を併用して、3歳ぐらいから25歳まではできるだけ抜歯をしない矯正を多く行っております。
矯正治療は、幼児から成人まで誰でも治療を受けることができます。治療の進め方は、あご(顎)の発育期と発育期以降で大きく異なります。
発育期の矯正治療(幼児~思春期前)
歯並びの悪さ(不正咬合)は、歯を支えている上あご(上顎)や下あご(下顎)の発育に問題がある場合(歯と顎、上顎や下顎などの発育のアンバランス)がほとんどです。 この時期の矯正治療は、発育に問題のある部分を特定して発育を正常に戻すと共に、お口や顎の機能をトレーニングすることで、その後の発育がバランス良く順調に進むようにしてあげることが中心になります。こうすることで、バランスのとれた永久歯列の完成を目指します。
使用する装置は、発育に問題のある部分によって様々ですが、約3ヶ月~半年で効果が認められるようになります。発育の効果は個人によってまちまちですが、引き続き発育が必要な場合は、装置を作り替えながらバランスのとれた永久歯列の完成を目指します。
※この時期に使用する装置のほとんどは、外から見えることはありません。ご来院の間隔は、積極的な発育を期待している期間が1ヶ月に1回程度ですが、順調な発育状態になれば数ヶ月に1回程度です。
小児矯正のメリット
メリット1
抜歯をせずに治療ができる
顎の発育を利用しつつ、永久歯がすべて生え揃うスペースを確保することができ、抜歯をせずに治療できることが多いです。
メリット2
短期間で治療をすることができる
永久歯が生え揃っていない時期に治療することができるため、大人の矯正期間よりも短期で終了します。
メリット3
手術の可能性が減る
噛み合わせが悪い状態が続くと、顎の形が変形します。変形が大きくなると、手術が必要になることがあります。しかし、小さいときに矯正治療を行うことで、成長段階で顎の変形を改善することができます。
発育期以降の矯正治療
顎の発育は期待できませんので、歯列をひと回り大きくするか抜歯をすることによりバランスのとれた永久歯列の完成を目指します。
使用する装置は、マルチブラケット装置が主になりますが、歯列を一回り大きくするには拡大装置の使用が効果的です。 ご来院の間隔は1ヶ月に1回程度で、治療期間は約2年を要します。
マルチブラケット装置が外れた後は、もとに戻らないように保定装置の装着が必要です。保定装置は、外から見えることはありません。保定期間中のご来院間隔は2、3ヶ月に1回程度です。
成人矯正のメリット
メリット1
治療計画が立てやすい
顎の成長が完了しているため、お子様よりも治療計画が立てやすいです。
メリット2
むし歯・歯周病の予防
歯みがきがすみずみまで行き届くようになり、むし歯や歯周病リスクが軽減することができます。
メリット3
噛み合わせが良くなる
噛み合わせも良くなり、きちんと咀嚼ができるようになります。さらに、消化と吸収力が上がり、便秘や肌荒れの改善が期待できます。
歯周病や入れ歯治療に伴う矯正治療
歯周病が進行すると歯ぐきが痩せてくるので、歯の傾斜やデコボコがひどくなり、うまく噛めなくなります。よって、結果的に歯周病が進行することになります。矯正治療により歯を整列することで咀嚼が回復できるので、咀嚼時の機械的な刺激が歯ぐきを刺激して歯周病や不正咬合の進行を抑えることができます。
また、歯の欠損により隣の歯が傾斜したり、噛み合っていた歯が延び出してきたものを矯正治療によりきれいに整列することにより、より良いブリッジや部分入れ歯を作ることができます。これにより歯ぐきの再生も期待できます。
原理
歯は少しの力で持続的な力をくわえると、少しずつですが動きます。これはとてもゆっくりとしたものです。 急に大きな力で動かそうとすると、痛みや歯根がとけてなくなってしまうことがあります。そのために矯正治療には時間がかかります。歯の表面に矯正装置を一定期間装着し、歯を徐々に動かしていきます。歯列不正の種類や程度により矯正装置の固定点は慎重に選択する必要があります。